「普通、梅澤さんくらいのレベルになれば、僕みたいな高齢者と試合するのに対戦の作戦を考えたり、前もって試合に使う技術のシミュレーションをしたりはしません。」

「『卓球の試合は、試合をする前から始まっている』というのは、そういう意味なのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。陰陽が分からないふりをしていたのも、『卓球の試合は、試合をする前から始まっている』という考えによるものです。」

「と言いますと?」と町会長。

「最近やっと分かったのですが、梅澤さんは、陰陽に極めて強い反応をするタイプなのです。」

「と言いますと?」と町会長。

「梅澤さんは、そういう弱点があることを誰にも知られたくないのです。」

「陰陽に極めて強い反応をすることが分かると、何か問題が起こるのですか」と町会長。

「これは、極端な例ですが、僕が社長の息子さんに毎月1回1年ほど練習してもらったことがあります。」

「梅澤さんから1セット取ったからですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕は1セット取ったら1試合やってもらえると思っていたのですが、驚いたことに、毎回10セット、1年もやってくれたのです。」

「ラッキーでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。そのおかげで、ある時、打球音が変わり、たかしさんも返すだけで精いっぱいになったのです。」

「たかしさんの指導法がよかったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。その結果、梅澤さんは僕のフォアハンドに恐怖感を持つようになったのです。」

「それで梅澤さんは、どうしたのですか」と町会長。

「僕のスイングスピードがさらに上がった時、梅澤さんに日本で1番重いラケットを注文したら、陰のラケットを売りつけたのです。僕もうかつだったのですが、ラケットを買うときに陰陽をチェックしなかったのです。」

「梅澤さんは、陰のラケットを使えばフォアハンドの威力が低下するのを知っていたので、陰陽が分からないふりをして、陰のラケットを勧めたのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。梅澤さんにとって、卓球の試合は、そういうところから始まっているのです。」

「驚きですね」と町会長。

「スーパー東大系が、全日本に出続けるのは、そのくらい難しいということだと思いました。」

「ところで、お風呂のお湯の話はどうなったのですか」と町会長。

2021/9/24

<猫後記11>
『周波数を高くすればするほど、音が小さくなる』という書き込みから、スピーカーに問題があるのではないかと思い、スピーカーの販売ページを読み直してみた。

今読み直すとタイトルに『kemo社DC12V超音波発生装置対応スピーカー (圧電スピーカー) 2500Hz~45000Hzまで』と書かれているのだが、このページが強い陰だったため脳の機能が一時的におかしくなったようで、『このスピーカーは低音域を強化するためのスピーカーに違いない。超音波発生に必要なのは普通のスピーカーでいいんだ』と思い込んでしまった。

そして、『[訳あり特価][ジャンク]フルレンジスピーカーユニット2インチ(52mm)4Ω/MAX20W』と表示されていた1個290円のスピーカーをアマゾンで購入した。<続く> 

2024/9/10